2025.07.27 ソファ テーブル リビング ダイニング
「畳のある部屋にはどんな家具を選べばいいの?」「和室を現代的にアレンジしたい」という悩みを抱える方は少なくありません。
特に、新築や賃貸物件で和室や畳スペースをどう活かすか迷っている方にとって、家具選びは大きな課題です。
畳は日本の伝統的な床材ですが、その価値は現代でも色あせることはありません。
むしろ、環境への配慮や健康志向の高まりから、自然素材である畳の特性が見直されています。
本記事では、畳の上でも使える家具選びのコツから、新築住宅での畳空間の計画、賃貸住宅での置き畳の活用方法まで、幅広く解説します。
和モダンスタイルの基本となる素材感や色使い、高さのバランスなど、実践的なポイントを押さえることで、畳の上でも洗練された空間を作り出すことが可能です。
伝統と現代が調和した、心地よい住まいづくりの参考にしていただければ幸いです。
畳の魅力は自然素材の肌触りと温かみにあります。
い草の香りには癒し効果があり、断熱性と調湿機能も優れています。
小さな子どもやご高齢の方がいる家庭では、転倒時の衝撃を吸収する安全性も魅力です。
オールフローリングが主流の時代もありましたが、環境への配慮や健康志向の高まりから、自然素材である畳の価値が再評価されています。
SDGsやサステナビリティの概念が広まる中、畳の特性は現代的なライフスタイルにマッチし、テレワーク普及でオンオフの切り替えができる空間として価値も高まっています。
現代の住まいに畳を取り入れる方法は多様化しています。
伝統的な和室以外にも、リビングの一角に畳コーナーを設ける「畳スペース」や、フローリングの上に敷く「置き畳」が人気です。
和モダンスタイルとは、日本の伝統的な「和」の要素と現代的なデザインを融合させたインテリアで、シンプルで洗練された美しさが特徴です。
畳や障子といった和の要素と、直線的でスッキリとした家具や、モノトーンを基調としたカラーコーディネートを組み合わせます。
間接照明など柔らかな光で落ち着いた雰囲気を作り、装飾は最小限に抑えた洗練された空間が和モダンスタイルの真骨頂です。
畳の上で使える家具選びは素材が重要です。
畳と同じく自然素材の家具が調和しやすく、無垢材の家具は経年変化の美しさも楽しめます。
ウォールナット、チェリーなどの温かみある木材が相性良く、特に和モダンスタイルにはウォールナットの落ち着いた色合いが空間に奥行きを与えます。
籐(ラタン)や竹など自然素材の家具も相性が良く、軽量で畳への負担も少ないです。
カラーは畳の色に近い緑色や木材と馴染む茶色などのアースカラーが調和します。
形状は直線的でシンプルなデザインが和の空間に合います。
畳は丈夫ですが、重量家具の長期設置や尖った脚の家具でへこみや傷の原因になります。
家具の脚の下に「い草座卓敷き」や「畳へこみ防止マット」を敷くと重みを分散できます。
家具選びでは脚先が尖っていない、接地面が広い設計のものが畳に優しいです。
また、畳空間の家具は低めが好まれます。視覚的開放感だけでなく、床座りの文化と結びつく実用的理由もあります。
特にローソファや高さ30cm以下のベッドフレームは畳と相性良好です。
家具の高さを揃えると視線の流れがスムーズで統一感が生まれ、収納家具も横長のローチェストタイプが圧迫感が少なく調和します。
新築住宅での畳空間計画では、まず「量」と「場所」の検討が重要です。
独立和室を設けるか、リビング一角に畳コーナーを作るか、寝室や子ども部屋に小さな畳スペースを組み込むかなど、ライフスタイルに合わせた選択が必要です。
子育て中なら、リビング隣接の畳スペースが遊び場や昼寝場所として活躍します。
住宅の向きや採光も考慮し、畳は直射日光が長時間当たると変色するため、適切に遮光できる場所を選びましょう。
畳の種類も、従来の畳だけでなく耐久性や防カビ性に優れた樹脂畳、デザイン性の高い琉球畳や縁なし畳も検討価値があります。
設計段階では将来の可変性も考慮し、畳からフローリングへの変更を想定して床高さを合わせておくと将来のリフォームがスムーズになります。
壁や建具は引き戸やガラス戸で開放感のあるデザインに、可動式間仕切りで空間の柔軟性を持たせられます。
人気の間取りとして、リビングと一続きの畳コーナーや、LDKの一角に45cm程度の段差を設けた「小上がり」があります。
空間に変化をつけながらも一体感を保ち、下部に収納を設ければ収納力アップにも。
リビングと和室を可動式間仕切りで区切る方法や、寝室隣接の畳コーナーも実用的です。
生活動線上にさりげなく畳空間を配置すると日常的に畳の良さを感じられます。
賃貸住宅での畳空間実現に最適なのが「置き畳」です。
フローリングなど既存床の上に置くだけで、工事不要で簡単に畳空間ができ、退去時には持ち出せます。
半畳(約85cm×85cm)や1/4畳サイズが主流で、必要な大きさに組み合わせられます。
リビング一角、窓辺、寝室足元など好きな場所に自由配置できるのが魅力です。
最近はい草畳だけでなく、耐久性に優れた樹脂製やポップな色合いまで豊富にあり、縁なしタイプなら和モダンな印象に。
カラーもグリーン・ブラウンの定番から、ベージュ・ネイビー・グレーなどインテリアに合わせて選べます。
滑り止めシートや専用ジョイントで固定するとより安定します。
賃貸住宅では原状回復制約がありますが、工夫次第で和モダン空間を演出できます。
置き畳に合わせる家具は、背の低いローテーブルや座椅子がおすすめで、折りたたみ式や収納付きなら使わない時にコンパクトに片付けられます。
照明はスタンド式の行灯風ライトや和紙素材のフロアライトで和の雰囲気を高め、カーテンや壁面装飾も障子風ロールスクリーンなどで工夫できます。
退去時の原状回復を考慮し、置き畳の下に保護シートを敷いたり、時々位置をずらして床の色ムラを防いだりしましょう。
壁面装飾は釘やビス固定を避け、粘着式フックを使用し、家具の脚にはフェルトやゴムキャップを付けて床を保護します。
定期的に畳を上げて風通しをよくし、カビ防止も心掛けましょう。
畳の上でも使える家具選びと現代的な暮らしへの整え方は、それぞれのライフスタイルや住環境によって異なるアプローチが可能です。
新築住宅では、設計段階から畳空間を計画することで、理想的な和モダン空間を実現できます。
リビングと一続きの畳スペースや小上がりは、家族の団らんと個人の寛ぎを両立させる優れた間取りです。
一方、賃貸住宅では置き畳を活用することで、手軽に畳のある暮らしを実現できます。
家具選びにおいては、畳に適した低めの家具や自然素材を基本とし、畳を傷めない工夫を取り入れることが大切です。
特に座面の低いソファや背の低い収納家具は、畳との相性が良く、空間に開放感をもたらします。
和モダンスタイルの魅力は、日本の伝統的な「和」の要素と現代的なデザインを融合させることで、世代を超えて受け入れられる普遍的な心地よさを実現できる点にあります。
照明や小物使いにもこだわることで、より洗練された和モダン空間が完成します。
畳のある空間は、リラックス効果や調湿機能など、現代のライフスタイルにおいても多くのメリットがあります。
ぜひ、ご自身のライフスタイルや住環境に合わせて、最適な畳空間づくりに挑戦してみてください。